でんぱ組.inc「W.W.D Ⅱ」感想
今週発売された、でんぱ組.inc「W.W.D Ⅱ」
でんぱ組.inc「WWD Ⅱ」MV【マイナスからのスタート、やっぱキツい!?】 - YouTube
でんぱ組.inc 問題作の発表で、でんぱ組のメンバーをファンの結束を図れるか!?
ざっくり言うと、AKB系の茶番的混乱を生み出して、ヲタとメンバーの絆を作っていこう、という狙いの曲だと思う。
個人的に茶番系イベントはあまり好きではない。というか℃-ute陣営によるガチ系混乱の仕掛けに慣れてしまったので、茶番系が物足りなく感じる。AKBグループは、ドラマや資本主義系の仕掛けを箱庭で行っているが、℃-uteはこれを市場で行い、ガチでteam℃-uteが乗り越える事が必要になった。この「ガチな茶番」がAKB系箱庭茶番を上回る強い刺激を生み出し、AKBグループと同様のメンバーとファンの強い絆と結束を生み出したのが、℃-uteのアイドル性であり、アイドル界隈に加えられた新しいアイドル性でもある。
ご存知℃-uteメンバーは常に資本主義的な目標を掲げ、あらゆるメディアを通して、しつこく目標や理想について熱く語る。
今回のでんぱ組は、W.W.DⅡであまりオリコン順位が上がらず、悔しさをブログに書き連ねるが、それは一部で「でんぱって℃-uteみたいな性格だっけ?」と言われるようになった。
℃-ute陣営は、一人でも欠けたらグループ解散、動員減ったらツアーなくなる、など、1歩で引けば℃-ute終了、という雰囲気を常にメンバーがアピールすることにより、応援と結束、絆を作り出している。
この手法は、5万売ったらデビューなどのモーニング娘。初期や、AKB系の何枚売れなければ卒業など、の仕掛けの進化系である。
℃-uteの場合、この条件は陣営が仕掛けた茶番の条件でもなく、おそらく本当に1人欠けたら終了だし、動員減ったらツアーはなくなるのだ。
℃-uteが通ってきた負のストーリーや、メンバーの強迫的な恐怖感、そういった本物の風景が、この仕掛けに強い説得力を生んでいる。
こういった℃-ute的なアイドル性の作り方である負の状況を、歌と曲にしてプロモーションしようとしたのが、でんぱ組.incだ。
W.W.DⅡはメンバーの希望とは違う曲で、そういう曲でも頑張って歌う、というアイドルの基本系を、事務所の意図と、メンバーともふくちゃんPの考えが違う、という事を各メディアを通じて発表する事で、実現している。エンターテイメントビジネスは、結局、すべてが嘘の事も多いし、そもそもプロデューサーと事務所の考えが違う、というのも面白い話だ。どこまで本当なのか演出なのか?
まあ結果的に、事務所に振り回されるアイドル、という古典的なアイドル像となっている。
さて曲の方であるが、これがどうにもさえない。複雑なストーリーを織り込むためなのか、曲が突き抜ける事がなく、爽快感がなく、また単純に曲が悪く、テンポ感がない。もうちょっとテンポ感があれば傑作になったのかもしれないが、このような暗い曲は、テンポ感が悪いと一気に凡作になってしまう。
客の男女比や年齢層などがかなり℃-uteに類似しており、同系統のグループである気がする。現在、ももクロ、℃-ute、でんぱ組.incあたりが、近い系統のグループだと思って良いだろう。
でんぱ組incの弱さは男性層へのアピールの弱さであるが、℃-uteもかなり男性層へのアピール力は低く、ももクロに大きく劣るだろう。
ただ音楽のライブに通う顧客の市場規模は男性と桁違いに女性が多く、正直女性だけに取り入れば、すぐにライブ規模は拡大してしまう。少女時代くらいまで女性が増えても、℃-uteもでんぱ組も、それで良さそうだ。
女性向けとしても、男性客はそれなりには付いてくるので、℃-uteとでんぱ組あたりはそれでかまわない気もする。
℃-uteファンが、℃-uteがやっている事を客観的に見るには、でんぱ組.incがやっていることや、この歌の歌詞を聞くと、良いかと思う
また前の記事に書いたように、でんぱ組の単体の人気規模としては、おそらくBerryz工房を抜いている。