℃-uteの9thアルバム「情熱エクスタシー」

 ℃-uteの9thアルバム「情熱エクスタシー」はテレビ番組Musicるで制作されたシングル候補曲のうちの一つ。本ブログではシングル曲としては適当ではないと書きました。歌を聞かせるメロディではないために、℃-uteの歌唱力をアピールできないからです。

 また曲自体にもいくつも問題点を含んだ編曲でした。それら問題点は過去の記事に書いてあります。

 アルバムの「情熱エクスタシー」を最初に聞いたとき、かなり驚きました。番組で公開されたモノと、ぜんぜん違う。メロディとかコードとか歌詞とか、そういうのはおそらくあまり変わらないのですが、音楽としての質が、アマチュアとプロぐらい違う。

 完成版「情熱エクスタシー」は音楽の推進力がほとんど途切れずに、ぐんぐん進行していきます。番組版は推進力が切られてしまって、なかなか音楽が進まなかったんです。

 さすがアップフロントのプロのスタッフが仕上げてきたなぁと思いました。

 アルバム版、一番最初に聞いたときに度肝を抜かれたのは、最初の「ヘイ、メイクアップ、イッツショータイム」の部分のギター。とくに歌詞がないところの、フレーズがGEEEEGEEEEっていう部分。 

 「え!? これホンモノのメタル?」って感じまして、テンションが一気に高まりました。

 ギターの音色とか弾きかたが、どう聞いても「ホンモノ」のメタルなんです。番組版で聴いた、なんちゃってメタルではない、リアルメタル。(っていうかメガデス思い出した)

 しかも、このギターが生み出す推進力と熱量が物凄い。

 もしかして、マーティーフリードマン、ソロの部分だけちょろっと弾いたんじゃなくて、全編ギター弾いてる!?ってそのとき感じました。あとでMUSIC+見たらマーティが主導して曲作りしてたようですね。

 よく考えてみたら番組で、講師としてマーティーが生徒さんに、アイドル曲の作り方、講義してたっけ。企画の流れとして、ショックアイさん風の曲だけじゃなくて、マーティーフリードマンっぽい曲の候補もあったのかなぁ、って。

 ショックさんが情熱エクスタシーに手を入れても大して曲のグレード上がらないけど、マーティーが手を加えれば、凄くなるのは予想できますし。

 情熱エクスタシーは作曲としては、けっこう曲の流れが途切れ途切れですし、番組で披露された編曲でも、それがさらに誇張されてひどく途切れ途切れになっていました。

 それが完成版では、マーティーのギターのバッキングギターで、ほぼ救われて、曲が凄い推進力を持っています。進行が止まりそうな部分を、マーティーがいろいろ工夫して、絶対に進行を止めないようにしてる。

 やっぱりマーティーフリードマンって凄いんだなって思いました。

 MUSIC+も見ましたが、アップフロントのスタッフもマーティーに揉まれて、少しメタルらしい音を出す経験値が増えたんじゃないでしょうか。もっともっとマーティーレベルのミュージシャンと音楽作りをして、アップフロントスタッフの音楽制作能力を上げて欲しいなと思います。 

 「始まりの音」から始まるAメロに入るまでのイントロ部分(イッツショータイムの部分)では、マーティーのギターが強力な推進力が生み出し、曲の頭が強烈な盛り上げ部分になっています。

 曲の出だしで強引にでも盛り上げるパターンの曲。

 Aメロ(始まりの音)はギターが歌と一緒にメロディを弾いています。これのメロディのギターの音色がすごいメタルでかっこいい。この部分、萩原舞ちゃんの声が、ギターの音色と相性が良い、と自分は思いました。

 Bメロ(声上げろ)は、4つ打ちロックの部分。ただ裏打ちのハイハットはあまり聞こえない(もしくは打ってないのかな?)。メタル成分は薄くなりますが、高音でキュキュ言ってるギターがききどころ。

 サビは、ちょっとBメロより音楽の速度感が悪くなります。もうちょっとなんとかできれば名曲にできそうなのに、と思った部分。サビはそれまでより進行体感速度を2倍にすると、サビっぽくなりますが、この曲の場合、ちょっとBメロより、曲の流れが悪くなってしまうカンジがします。

 前山田さんあたりだと、なんとかできそうだなって思います。この曲でサビがBメロより、さらに加速できれば、前山田さんレベルの作曲者に近づくんだろうなぁと感じました。

 個人的にはマーティーのソロはあと2分ぐらいあっても大丈夫!