スマイレージシングル『エイティーンエモーション』感想

これぞハロプロチップチューンガールズロック!


スマイレージ『エイティーン エモーション』 (S/mileage[Eighteen Emotion]) (Promotion ...

衣装が好きです。めずらしくおしゃれっぽいアイドルって印象を持った。曲調はプラチナ期最後の「ファンタジー拾壱」のアルバムに入っていそうな曲だ。

今回のシングル曲は両方とも、今の娘。がプラチナ期から受け継がなかったタイプの曲をやっており、スマイレージを(楽曲的に)娘。another versionみたいなポジションに置くタイプの曲。娘。が恋愛ハンター以降の路線に入らなかったら、おそらくこういう曲がきていた、という、もしも第二次世界大戦枢軸国が勝ったら的な古典SFのifを実現する曲群だろう。

結果、ハロプロの一番、悪いところを凝縮したような曲になった。

妙に浮き出ているボーカル、薄い音、引っ込んでるベース、バンド音楽をチープな打ち込みで再現。

専門音楽が好きな人から馬鹿にされた、アイドル音楽ハロプロの典型的な曲だ。

もし専門音楽を聞くような人達にうけるなら、まずディストーションの聞いたギター、打ち込みはなし、すべて生楽器、たとえばBuonoのように。ボーカルの位置の修正。楽器の背後から抜いてくるような位置へ。こんな軽く歌っては音が抜けない、バンドサウンド。このボーカルの位置だと、いかにもうすっぺらいアイドル、J-POPサウンドで、歌声がペラペラだなと感じてしまう。

打ち込みダンス音楽を打ち込みでやる分には良いが、典型的なバンド音楽を、打ち込みでやれば、ただの安上がりなチープなサウンドだ。

メロディとコード以外、すべてが安く手早く済まそうという、チープ&インスタントの精神に満ち溢れており、こんなゴミのような音楽誰が買うか!と突っ込みたくなるという、昔のハロプロの悪いところを凝縮した「サウンド」だ。

これをやめたから、今のハロプロの客層が少し広がったのだろう。アイドルを聞くような客層は、専門バンド音楽やダンス音楽を聞くような人達にも広がっており、このタイプの音楽だと、そういった広がりつつある客層から馬鹿にされる音楽だけれど、今のハロプロの音楽なら、そういう人たちも納得する、というものだ。

 

このガールズポップロックは、女の子達が直接楽器を手にするか、声優さん達が歌って、後ろにバックバンドがつけば、成功する。

何度も書くが、アイドルのこの分野は、声優とガールズロックバンドに喰われたのだ