娘。の前衛芸術スタイルのプログレっぽいEDMの意味を考えてみた
ピョコピョコウルトラとスマ1期失敗がターニングポイント
ハロプロに多い、ちょっと変な事したり、ダサかったり、コミックだったりするのは、もともと年齢の低く技量が低い子を、下手に見せないためのテクニック。アイドルは基本的に相当下手なので、こういう「ハロプロっぽい」ものを一緒に大量投下して、全体として「レベルの高い完成品」にする手法だと思う。
ラブマシーンまでは、アップフロントは普通に音楽をやっていたし、モーニング娘。の1、2期あたりは真面目にやっていたと思う。
本格派ダンス&ヴォーカルSPEEDが何より格好よく歌唱もリズムもすべてにきちっとごまかすことなく挑戦していた。一方のモーニングはバラエティとドキュメント性、サプライズなどのギミックを仕掛けながら、SPEEDと戦ったが敗退寸前まで追い込まれる。
そのとき橋本P(のちに2012年の℃-uteのP)にあるアイディアが浮かんだのだろう。エイベックスからダンス☆マンを借りてきて、つんくちゃんの手持ちの楽譜と合わせて、こんなアレンジで行こうと仕掛けたのがラブマシーンではないだろうか?
これで、ヘタの技量をうまく見せなくする「ハロプロらしさ」を掴み、一気に人気が上昇。SPEEDを含む本格派アイドルは日本から駆逐されてしまった。
時代は進み2010年スマイレージが売り出される。「ハロプロらしさ」と「つくりこまれたライブ」「スタイルが良くて美人で技量の高い子」の組み合わせだったが、売り出しに失敗した。
スマイレージは、変な衣装でごまかす必要がないくらい「スタイルの良い子」だったし、「変な音楽と変な歌詞」でごまかす必要がないくらい「技量のある子」だった。
なぜに「良いもの」をスポイルして売り出すのか、大きな反感を呼び、結果、メンバーの半分を損耗させる事になった。
次のアップフロントの挑戦はモーニング娘。9、10期の売り出しというか扱いだ。
理由はよくわからないのだが、デジタル音楽路線で行こうと決めていたようだ。現在ハロプロでデジタル音楽路線でないのは℃-uteだけである。他3グループがデジタル路線へ進む理由は何かあるんだろう。
2012年1月発売のピョコピョコウルトラのシングルはメン達に着ぐるみを着せて、技量不足を露呈させないスタイルのパフォーマンスになった。また非常に凝った音楽であり、クロウト筋はほぼ全員絶賛したが、素人筋からは非常なる反対の声が上がった。
ピョコピョコのB面「悲しき恋のメロディ」が(ほぼ)EDMであり、何食わぬ顔してさらっとカップリングにEDMらしき音楽を入れて反応を探ったようだ。
2012年4月発売「恋愛ハンター」はピョコピョコの子供路線を変更して、かっこいい路線へと変更、ハンターポーズやギャラがみたいなハロプロらしいギミック入りのダンスとEDMの組み合わせになった。
これはそこそこ評判が良かったようだが、まだハロプロっぽいおふざけ感があった。
ここで5期メンが卒業し、歌唱力の本格的に低下する。この状況を乗り切るための切り札として準備はしていたのだろう。
デジタル音楽を段階的に導入した娘。に、そのままシレっとした顔をして「かぶせ」をかけてきた。「かぶせ」はかなりの方向転換であり、うまい説明をしないと切り抜けられない。
そこで技量の低いアイドルをうまくごまかすために必要だった「ハロプロらしさ」で、今までやってきた「ハロプロ」お笑いダサ系のやり方をあえて正反対にしてみたらどうだろうか?
とりあえず「かぶせ」とダンススクールできちっとした動きのできるメンバー2人を全面において、なんとなくパフォーマンスが成立させているようにして、さらにEDMどころか「前衛音楽」(←これ重要。娘。のはEDMで言えばEDMだけど、プログレEDMというか、なんだかもうわけわからん複雑さに満ちている)にして、それに「前衛ダンス風」みたいなギミック
ダンスがヘタなメンが、なんか幽霊なんだか、ゾンビなんだか、よくわからんキモイ動きをしてるが、なんとなく「前衛風」で雰囲気ごまかしに成功しているような気もする、というかごまかされた層がいたようだ。
「ハロプロ風お笑い」の他に「ハロプロ風前衛芸術」のやり方で技量の低いアイドルをカバーする手法を、アップフロントは開発する事に成功した!
旗印も「王道復古」であり、Perfumeの旗印に近く、「真の音楽とパフォーマンスで世界に王道を復活させよう」みたいなカンカクだと思う。
ちなみにももいろクローバー陣営が、このモーニング娘。の成功を真似したのがあの「5次元」だと思う。あれは妙に「前衛芸術」に拘っていたから。