愛ってもっと斬新の効果音

効果音斬新!

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℃-uteでもハロプロでも、最近は使われてなかった系統の音色がいろいろ使用されている「愛ってもっと斬新」。

娘。ワンスリーがスイミーフォーメーションダンスなら、℃-uteはシチュエーションダンスだ。

シチュエーションダンスに似合った音楽をと℃-ute陣営が考えたのだろうか?今回のシングルは2曲とも、BGM系の曲で、(ディスコ)ダンス曲でもないし、歌もの、とくにカラオケショー的な曲でもない。

Crazy完全な大人はハウスで、これはクラブミュージックだ。アダムとイブも4つ打ちで、基本クラブ系。

今回のシングルは、都会も斬新もフュージョン色が強く、劇伴音楽だ。

(劇伴音楽とは。映画やドラマ、ゲームやアニメの作中に流れている音楽)

実際にどのような手順で設計されたかはわからないが、MVというシチュエーションダンスを使った映像作品を構想して、そのバックに流れる音楽を作った、という感覚と捉えると、その役割と音楽の特徴がわかりやすいと思う。

 

つんくちゃんが作った音楽世界を表現するためのMV、たとえば娘。の君さえ居れば、とか、そういうタイプなのだろう。とは全く反対の、℃-uteちゃんをかわいくかっこよく見せる映像作品やシチュエーションに、どのような音楽を合わせるべきか、という方向性で作られているのでは、と自分は推測している。

 

「愛ってもっと斬新」は音楽だけを聞くと、戦闘シーンに流れる音楽のようだ。で、MVを見ると、廃墟で戦闘服に身を包む℃-uteちゃんが映っている。

個々のフレーズの技術やセンスについては細かく決して褒められたものでもないのだが(まだこの系統の音楽に慣れてないのだろう)、戦闘シーンの攻撃的なテンションや緊迫感を保つ役割をしっかりと果たしているような、バッキングやベース、その他のフレーズだ

効果音が斬新で、まず時計の音色がカチカチと鳴り続け、非常なる切迫感を曲全体に与える。メロディとコードを与えられてアレンジするのを普通に考えていたら、時計の音色が鳴り続けると思いつけないので、これはトータルの設計から導出した効果音の音色だろう。


Bメロの「たぶん」のところで、ずいぶん、衝撃のあるドンっていう効果音が使用されており、こういうのが戦闘の緊迫感を作り出す、戦闘系効果音だろう。

(れいなのRockの定義のイントロの効果音に近い気がする)

 

曲全体はフュージョンやクラブジャズ系の音楽と考えて良いので、楽器系の音色が使われており、それに戦闘系の効果音が緊迫感や衝撃感を与えている曲だ。

 

メロとコード進行に関しては、単純な残念さがあり、これはつんくちゃん書いたんだろうなと思う。ジャズ系だと、コードに対してメロは7度9度の音が多いのだが、つんくちゃんが書くとロック系の1度5度が多くなり、サウンドがパワーサウンドになりやすい

つんくちゃんの場合、この展開の続きがこっちに行くの!?とか、この音色とこの音色を重ねるのは変だろう、とか、そういう明らかにおかしいもの、をたくさん組み合わせて、頭を混乱させて、最終的には「変」が多すぎて、もはやこれが「良い」のはないかと、聞いている人の頭を刺激する系統の技術だ。

音楽毎の分野や区切りに合わせた細かい技術は、ほとんどない。

そういう細かい技術が使えてる曲は、たいてい作曲が素敵な大物アレンジャーなので、そこから逆算して、大物アレンジャーの時は、おそらくゴーストだなと推測してる。