℃-ute「都会の一人暮らし」MV感想その1

これは初回盤Aのジャケ写

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ジャケ写とMVが同じデザインコンセプトで作られている。この感じだと、ジャケ写、MV、歌詞、曲に対してトータルデザインコンセプトをきっちり決定してから、作り始めたんじゃなかろうか?

 

MV全体はおしゃれで自分は好みだ。しかも、おしゃれさが先鋭化してないので、そこに大衆性があり、このグループの北関東ヤンキー感の香りもかすかにただようのではなかろうか?(娘。はれいなを最後に遡るとヤンキー風アイドルは多く、ハロプロ伝統のスタイルの一つだ。このハロプロ的ヤンキーをうまく現代的な範疇のアイドルに収めたのが℃-uteではなかろうか)

歌詞の対象年齢ははっきりと18歳の高校3年生であり、おそらく℃-uteのメインターゲット層にぴったりと照準を合わせている。

トイズファクトリー系のセンスの塊のおしゃれ感ではなく、節度あるおしゃれ感が心地よく、それが「振り切らない」おしゃれさをうんでいる。

 

額縁で入れ子にするのは、Perfume「Magic of Love」MVの手法を思い出した。きちっと最新の他の陣営のMVをリファレンスするのは良いことだろう。

 

カメラの切り替え、イフェクトのタイミングがタイム感に正確だ。AKBグループの1秒くらいはずれてるんじゃないか?と思える、ずさんなタイミング切り替えのMVを見てから、℃-uteを見ると、驚愕すると思う。後はたぶん急速に時代から遅れはじめたAKBグループの「だささ」も目につくと思う。AKBグループのMVに慣れた目に、新しい流行だと思わせる事ができるMVに仕上がってきた。

 

全体的にアニメのオープニング的なMVであり非現実感があり、それがアイドル性をうむ。衣装も私服風衣装ではあるが、実際にこういう私服はなく、ライトノベルやアニメの世界にしか存在しなさそうなパンチと、妙なところに妙に手が込んでる作りの服で、これが20歳を超えたアイドルに、かわいらしさとアイドル性を付与している。

なんかのインタビューでつんくちゃんが、アニメ風のコスプレをさせれば、そういう狭い層の客がつく、うんぬんと言っていたが、それは間違いだ。現代において、わかめの年の人間には、アニメ風な衣装は、アニメファンだけに限定されておらず、一般的な二十歳台の女の子の、ちょっとそこらへんにはいないような、非現実感のある、かわいさを表現する良い手段である。一方、水商売風の衣装は、現在、その年の女性の非現実感のあるかわいさを表現してはいない、という事に、そろそろ気がついた方が良いだろう。

ましてや、クールハロの買い物に出かけたおばさんや、葬式に出席したおばさん、のような「シンプル」な衣装は、最低の発想だ。(それとも葬式のコスプレだったの?あそこまで葬式に拘った衣装っていうのもなかなかないとは思うけど、葬式をトータルコンセプトにするのは、ありなのか?デスメタル的な??)

アイドルの衣装には夢がつまっており、それは非現実感がある事が大切で、私服風衣装でも、意味のわからない所に意味がわからない程手が込んでいるような、贅沢さと手間のかかった服である事が大切だ。

というわけで、今回の℃-uteの衣装は、かなり良い。あと、アクセサリーがハロプロにありがちな子供っぽいものじゃなくなって良かった。あれで随分、客層を狭めていた。