SEKAI NO OWARIの「INORI」から℃-uteに必要なものを考察

SEKAI NO OWARIの音楽の基礎構造が聞ける「INORI」


SEKAI NO OWARI 『INORI』 MV - YouTube

3曲が合体しているMV。花鳥風月と不死鳥とNever Ending World

1曲1曲は、なんて事ないフォークだ。そして、このなんて事のないフォークが、このSEKAI NO OWARIの音楽の本質でもある。ただ破滅的というか閉塞感があるも動けないで世界に閉じ込められている、そして拘束されているという若い子に共感を得やすい歌詞に特徴がある。いつまでも反戦や男と女がフォークのテーマでもない。

ただこの歌詞が若い子にしか響かないという問題もある。

 

このINORIの各曲から、スノーマジックファンタジーへの変化の軌跡が、音楽プロデュース、トイズファクトリーの音楽制作チームの仕事だ。

 

現在、℃-uteの音楽は新しい一歩を踏み出し、℃-uteの世界を作った。まだ極めて単純な音楽の本質が素で現れた状態で、ちょうど、このINORIの各曲のような状態である。

INORIはそのグループが持っている魅力をMVでわかりやすくしている。

ここから、色々要素を付け加えて、スノーマジックファンタジーまで持っていく必要がある。これが音楽をきちっと作って幅広い層へアピールする仕事だ。

 

この時点では、なんとなくMVのビジュアルイメージと音楽はまだズレがある。しかしRPG、スノーマジックファンタジーと最終的にMVのビジュアルイメージに音楽よっていっている。

色々な音楽要素を使って、SEKAI NO OWARIが伝えたい事を、幅広い層に伝えるための工夫が、スノーマジックファンタジーだ。聞いてみればわかるように色々な要素がくっついている。ハリウッド音楽的な要素、ダンス音楽的展開のフレージング、どっかのパレードのような音楽要素、ダークファンタジーな面白い映像、コスプレ。

色々な層が楽しめる、色々な層が興味をもって流入しやすいように設計された、総合的音楽に、スノーマジックファンタジーは仕上がっている。

ちょっと何もできない、でも世間の価値観に拘束されたような子供が、共感するだけのそんな街のフォークソングから、うまく流行歌へと変貌を遂げている。

 

これが音楽プロデューサーの仕事であり、音楽で色々な幅広い層を吸収する、やり方だ。℃-uteちゃんにはこれが必要だと思う。

世の中で流行している色々な文化に合った要素を組み合わせて、統合的な劇伴音楽を作ったのがSEKAI NO OWARI(のおそらくは音楽プロデューサーだろう)。ダークファンタジー、コスプレ、夢の国のパレード、ハリウッド効果音やドラマ。