℃-uteの盛り上げ方は少しは上手くなったかな?

ハロプロ的なコール主体の人や、地下的なカンジで騒ぎたい人が、こういう曲やセトリは楽しめない、という事が、最近の℃-uteの現場ではあるようで、そのような意見をツイッターなどで見ます。

単純な言い方をすると、逆にそういう人が楽しんでいる曲を、楽しめない人がたくさんいる、という現実がある。

ツアーが始まる前までの℃-uteのパフォーマンスを見ていて自分が感じた最大の問題点は、会場の盛り上がりを℃-uteちゃんが把握できていない、という事だった。コールや騒いでいる人を見て、会場が盛り上がっている、そういうのが少ないと、盛り上がっていない、そういう考え方を持っているようだった。

自分にとって「興業」の楽しみ方はいろいろあって、そういう事をしなくても、すごく楽しんでいる。絶対騒がないという哲学を持っているわけでもないので、騒ぐこともあるけど、別に騒いでなくても、すごく盛り上がっている。そもそもジャズのライブなどによく行っているのだし、スタンディングで騒ぐ、という事には全く重きを置いていない。プロレスの興行も椅子に座って見てるし、特別コールしてるわけでもない。もちろん、コールをかける事もあるし、一緒に手を挙げたりする事もある(プロレスの話し)

でも、気持ちはすごく盛り上がっている。

 

会場の人を個別に見て、気持ちが盛り上がっているか、盛り上がっていないか、そういう事を℃-uteちゃんが判断し、様々な方法を使用して、煽って、盛り上がっていない人の気持ちも上げて、会場全体を1つのうねりにする。

いろいろな地域や会場で、いろんなタイプの客で、それができるか、曲やセットリストに関係なく、きちっと興業が作れるかどうか、そういう力量こそが、「パフォーマンス」というものだろう。

 

結局、ハロプロ的なコールや、つんくちゃんの曲が好きなヲタが勝手に騒いでくれる、こういう環境に慣れ親しんだせいで、きちっと、いろいろなタイプの客を「煽る」という技術を身につけてこなかった、のが℃-uteの最大の欠点であり、これを改善しない限り、℃-uteに明日はない、とツアーが始まる時点で思っていたし、おそらく記事にも、この煽りの問題は書いていたと思う。

 

パシフィコ千秋楽、このセットリストと、この演出でも、神聖ペンタ千秋楽を軽く超える程度には盛り上げられたのではないだろうか。

コールや騒ぎを主体とするヲタを、そうじゃない曲とセットリストで、盛り上げられるか、それが℃-uteの力量であり、それができていれば、そういうヲタな人たち以外の人も盛り上がるようなパフォーマンスができてきている、と考えて良いと思う。

結局、そういうヲタな人たちが「望まない」事を℃-uteがやっても、それでも「煽れる」力量が℃-uteにあれば、コールやつんく曲を好まない人も煽れていると考えて良い。

 

客層が広がるという事が人気が上昇するということであり、℃-uteはパフォーマンスをもってして、人気をあげようとしているのだから、いろいろなタイプの人たちを煽り楽しませる技術の習得が絶対に必要だし、これ技術がないと℃-uteに明日はない。

 

しばらくはヲタっぽい人たちが嫌がる事をやり続けて、それでも楽しませる、煽れる、盛り上げられる、そういう技術を℃-uteが身に付ける、という方向でも良いかもしれない。

 

音楽や音楽のライブの知識がそこそこある人には、たぶん℃-uteの問題点はよく見えてると思うので、アップフロントのスタッフと自分の感覚は、音楽的には、ずれていないなと思うし、そういう音楽的な問題を少しずつ修正していく現場が見れる、というアイドル的な楽しみがあって、自分にとってハロプロはすごくそういう部分が面白い。(℃-uteに限らず、ハロプロ全体が音楽的な見地からの訓練を見世物にしている、そういう部分がジャズと似ていて、音楽ができあがる過程が見れるのが、ハロプロ的なアイドルの面白さの1つだろう。

ジャズのライブも、同じ人のライブに定期的に行っていると、その人が、どのようにして新しいその人なりの音楽を作っていくか、その変化の過程が全部わかる。そういうどういう音楽を作っていこうか的な、変化が、ジャズのライブを物語としてみる、そういう楽しみ方がジャズは面白い)

ただ、そういう知識がない人にとっては、ちんぷんかんぷんなんだろうなとは思う。

 

今回の千秋楽のMCを聞いて、℃-uteちゃんにも少しは「制作側」としての気概が出てきたのかなと思った。