Perfume「Cling Cling」MV感想
℃-uteのThe Powerと同じ週に発売されたPerfumeの「Cling Cling」の感想
[MV] Perfume 「Cling Cling」 - YouTube
中田ヤスタカ作曲によるアジア風のEDM。歌唱が好きなのでPerfumeはあまり聞かないのですが、Perfumeの4つ打ちは好きでたまに聞きます。デコーダーの歌唱なんて自分にとって非常につまらないものなので、ほんと曲が良くても、まあ残念なのです。
当ブログで前に書いたように流行の4つ打ちEDMは、中音域でのリズムパターンから始まり、割りと早く出る歌、最後の方にダンスベース(ントントっていうパターン)や4つ打ちってなっていきます。
そう書いたけど、Perfumeがそうなってなかったらどうしよう?とか思いながら聞いたら、まあさすがにそうなっていた。まずはここがわかってるか、わかってないかの分岐点だし。
サビ始まりなんだけど、歌のパートのメロディが、歌が終わるとそのまま、中音域のリズムパターンとして、ダンス的な曲進行(少しずつリズムにダンスベースや4つ打ちが加わる)をしていくのが最初のポイント。
けっこう交響楽的にモチーフを楽器を変えたり、微妙に形を変えて伴奏させたりと、非常に音楽的に学術的な作曲法をとっている曲で、また構造はロンド形式に似ているような気がします。
交響楽になれた耳には、すごくこのモチーフを複雑に組み合わせていく手法が、すごく聴き心地が良いです。また大変高度な音楽技術を必要としますので、なかなかに曲のレベル的にも聴き応えがある。
ちゃんと流行の形式で4つ打ちやって、なおかつ交響楽的にモチーフを組み合わせていく、ということをやり、中田ヤスタカの音楽的な挑戦が楽しみな曲でしょう。
歌と歌の間にオブリガードのような違うメロディが入るのだけど、ハロプロと違って、歌メロが終わる前にかぶせて動き出し、次のメロディにかぶせて終わってるので、4つ打ちとして曲の進行を止めないで済んでいます。さんざんハロプロの4つ打ちEDMで歌メロと歌メロの間にオブリガードのメロディを入れて、メロディの渋滞を起こして、曲の推進力を奪っていると、このブログでは書いてきました。
そういうメロディの渋滞をしないようにオブリガードをする方法の一つとして、このCling Clingは参考になると思います。このオブリガードのメロディはまた違う場所のモチーフやメインのモチーフの変形でもあるので、モチーフが似てるから、さらにポリフォニー風になって、曲に推進力をつけやすい。
全く関係ないメロディを突っ込んじゃうと、ほんと曲の進行が止まるものですし。
どの場面も、大抵のメロディはかぶせとモチーフの変形で伴奏されてます。
最後は、カウントベーシーって思うくらい、しつこい繰り返しで終わりますが、それもかぶせをうまく使って、曲の推進力を消さずに、リピートしてます。
こういうところに作曲技術の高さを感じます。
シングルのカップリング曲のDISPLAYはEDMじゃなくて、Perfume伝統のエレクトロのようで。A面曲はEDMにして、カップリングを伝統のエレクトロと、Perfumeも適度の流行にのるようにしてるんだなぁとの感想をもちました