アンジェルム『乙女の逆襲』MV

アンジェルム体制になってからの初の大作曲!


アンジュルム『乙女の逆襲』 (ANGERME[A Girl's Counterattack ...

当ブログではゴシックホラーが流行りだから、ハロプロ(℃-ute)もやって欲しいと書いていた。いよいよハロプロでの本格的なゴシックホラー系の曲だ

なぜ流行をやれと言うのか、ポップ音楽は垣根を低くして、顧客を誘い込むという機能を持っており、流行をやるというのは垣根を低くする効果がある。しかしただ垣根を低くするだけでは意味がなく、音楽の本質的な部分ではオリジナリティを持っている事が必要だ。流行性+独自性、この2つがうまく融合することがポップスシングルに求められる事だろう。

さて、アンジェルムの乙女の逆襲は、流行のポップスになっているだろうか?

 

音楽的には然程不満はない。問題は衣装だ。ゴシックホラーは世界観を大切にしており、総体的なプロデュースが求められる。ゴシックホラーの衣装の基本は、黒を基調にする。なのに今回は真っ白の衣装!? メタルTが黒Tじゃなくて、白Tだったくらいの衝撃。

これは間違っちゃったのだろうか?ゴシックホラーは黒を基調としたドレッシーなスタイルがベーシックだろうに。衣装で変わったことをやる必要はない。音楽というのはわかりずらいものだから、映像ではできるだけわかりやすくやって、音楽を説明する必要がある。

このMVだと、音楽が映像を説明している、というくらい映像がわかりにくい。それも衣装が白だから、そういうわかりにくい映像になっている。あと布地が少ないというか、もっとレイヤードした方がいいんじゃないか

 

自分には、この衣装の選択は、外食産業が食中毒を出したくらいの失敗だと感じる。

ゴシックホラーというジャンルは世界観が大切で、これは衣装の選択が大きいのだけれど、ここを間違えるって、アップフロントという会社の組織に問題があるんじゃないか?

早急にファッション系のスタッフを雇って、大きな権限をもたせるべきだ。決定権のある人物達にファッションへの興味がなさすぎる。

 

さて曲の話をしよう。

 

アレンジに関してだけど、実は全く文句はない。これまであれほど文句を言っていたのだけど、あの文句の部分はつんくちゃんがアレンジャーに口を出していた結果なんだろうか?

全く普通にプロが作った音楽になっている。

中音域のバッキングからはじまって、助走のリズムがあって、ベースや4つ打ちが始まるという順当なイントロ。へんなキメやメロディの渋滞のないAメロ、AメロからBメロへのつなぎの浮遊感、Bメロで加速していって、Bメロとサビの間の歌の妙な長い間がなくそのままサビへ流れ込む。

おかげで音楽の流れが途切れず、推進力をとめずに曲が進むから、盛り上がっていく。

歌詞も良いカンジだが、まだリズムの輪郭とハロプロ歌唱法になじんでいないかも、という気もしないでもない。ただこれはもっと聞き込んで研究してみないとわからない。

 

メロディは少々気になる。

作曲者の年齢は知らないのだけど、どことなく「おじさん」を感じてしまう。若くても、若さがないおじさんぽい人がいるので、もしかしたら若いおじさんかもしれないが。

40歳を超えて意味のある曲を作れる男性は、ほとんどいない。作曲は40歳が定年だ。曲におじさんの雰囲気が紛れ込めば、それでその人の作曲家としての人生は終了だと思う。若くてもそういう人がいるが、それはその人が早く老化してしまった、ということだろう。

基本的に20歳か30歳台の作曲者を選択した方が良いと思う。

ショパンは39歳、モーツアルトは35歳で死んでいる。ジョンコルトレーンだって早死にだ。

音楽の作曲とは、生エネルギーの大量の発露であり、伝説的な仕事をするには、早死にする危険性の高い職業で、早く老化しやすい。

教養と歴史知識をシステマティックに扱うタイプの作曲家なら老齢になってもやっていけるが、ほとんどの作曲家は、生命エネルギーを尋常じゃない量注ぎ込むというやり方で曲を作るので、定年が早い。

曲におじさんをカンジさせるようになった定年だと思う。

今回の作曲家は、もう既になんとなくおじさん臭がまざっているので、これは次からは使わないほうが良いと思う。とにかく若くて、これから世界に対して挑戦してやるぞ!っていう意気込みのある人が良いと思うし、そういう方がアイドルに合うと思う。

 

アレンジャーと作詞家は今後も使える人材だと思う

 

追記:

歌詞の主役は福田花音こと「まろ」かなと思った。典型的な、中二病をこじらせて二十歳になった自意識過剰系サブカルメンヘラ女子。この状態で30歳になると不治の病になって、でんぱ組.incに「いそう」なタイプになる。

道重さんや、まろの女ヲタにわりかし多いタイプだと思う。あまり係わり合いにないたくない人種。

歌詞の内容はゴシックホラーに関係ないので、もっとトータルプロデュースした方が良い気もする