℃-ute「次の角を曲がれ」MV感想

 悲しきヘブンの後継曲、遂に現れる

 2012年9月「悲しきヘブン」がシングルのカップリング曲として発表され、この曲が℃-uteの人気上昇を決定的にしました。
 同時に発表されたシングルA面曲は、飛び出す絵本みたいな視覚的で複雑なダンス曲。℃-ute陣営はこちらのダンスがA面だと考えたですが、実際にシングルとしての機能を果たし新しい客層を掴んでいったのは「悲しきヘブン」でした。
 本来、ここで℃-uteに関する音楽の戦略を練り直すべきなのですが、その修正は行われず、人気曲となった「悲しきヘブン」の後継曲は現れず、2015年4月「次の角を曲がれ」まで、2年7ヶ月の時間を要しました。
 ちなみに「悲しきヘブン」の次のシングルは「kiss me 愛してる」路線の「Crazy完全な大人」、その次も似た路線の「アダムとイブのジレンマとなります
 「kiss me 愛してる」は5人の℃-uteの人気の土台を築いたアンセムであり、その後継路線曲をシングルにするのは当たり前です。
 ただ「悲しきヘブン」系の曲は少なくともアダムとイブの時期には発表するのが通常の流れかと思います。
 それに「悲しきヘブン」が陣営の予想と違ってシングルA面の効果を持っていたことで、戦略を作り直す必要があったハズですが、そこは行われずでした。
 (真野ちゃんの卓偉作曲My Days For Youが大受けしたのに、その後継曲を作らなかったように、なぜか受けたパターンをやらないというのが見受けられる。
しかしその時の卓偉の功績はおそらくこの次の角を曲がれの伏線になったのだと思う)


 結局、陣営が間違いを認めたのは「The Power」のシングルに両A面として「悲しきヘブン」をA面曲として収録した時。その次のシングルは「I miss you」と3声路線の曲、その次が「次の角を曲がれ」のツインボーカルロック+5人ハモという悲しきヘブン後継曲となりました。

 ちなみに「kiss me 愛してる路線」を2013年7月の「アダムとイブのジレンマ」を最後に打ち止め。ダンス歌謡路線の曲が次に現れたのは2015年4月「中間管理職」で、これも1年9ヶ月の空白期間を作ります。
 ℃-uteの人気を決定づけた2つの路線が2年近く干されたのは、いったいどの理由があったのかわかりません。ただつんくプロデュースじゃなくなって、そのタイミングで同時に2つの路線曲の後継曲が発表された、というところに理由はあるのではないでしょうか?

 「次の角を曲がれ」はこれまで当ブログでさんざん語ってきましたので、曲に関して新たに書くことはあまりありません。
 MV音質になって驚いたことがありまして、音の立体感の作り方がハリウッド映画かと思った!
 MVの映像も、これまでのアップフロントの平板な映像と違って、立体感の強い映像になっています。
 音の立体感は、駆け出しの監督の単館映画の音響が、いきなりハリウッド映画の音響になった、くらいの劇的な変化がありますよ!?音の立体感から来るお金のかかり方が半端ないよ感!圧倒的なメジャーレコード感!

 普通の家庭の環境ではそこまでわからないかもしれません。横浜アリーナを楽しみにしていてください。アリーナ級の空間を想定した壮大な音作りになっていると思います!アリーナクラスで聞けば、この曲の音の立体感が
メジャーグループクラスっていうのがわかってもらえると思いますし、その衝撃は凄いです!
 実は中間管理職の方も凄いんで、我武者LIFEもMV音質になったら同様にアリーナクラス級の音像空間が作られた金満体質の音楽なんじゃないかと期待しています!

 

 赤文字系女子にとってメジャー感は大切だと思いますし、キラキラしてるの好きだろうから、℃-uteがこういう部分に力と予算を使うのは,極めて効果があると思います。アイディアとか素材が素晴らしいとかそういう一点集中では赤文字系女子は説得できません。メジャー感とかキラキラ感とか全体の雰囲気がまずは重要ですよね。

 

 BPM166:キー D Major サビ頭で一瞬F Majorへ転調後すぐに主キーへ戻る

 D MajorからF Majorへの転調は一般的には少し音が『曇り』ます。サビ中ですぐにD Majorへ戻るんで、一瞬曇った後、すぐに光差すというイメージの転調。

 D Majorは℃-uteに合うって当ブログで主張していたキーなので、やってもらえて良かったです。音がキラキラで派手になりやすいシャープ系の調性の方が℃-uteには似合うと思っています。
 自分のイメージではD Majorは中国の江南の風景のキー。季節では湖に船を浮かべる春。でもカザフスタンのアイドルグループがこのキー使っていて、カザフっぽいカッコ良さがあったので、江南以外の地域の感覚もあるかな?
 アメリカのフォークもこのキーをよく使います。

 ℃-uteが最近よく使ってるE Majorはアメリカの伝統的な調性だと思いますが、中国雲南からベトナムあたりの、そういう地域のイメージも強いキー。