スマイレージの音楽性とライブの相反関係

「このままみんなで旅に出ようよ。行く先のあてのない旅に」

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いっそのこと四国八十八箇所廻りとそれに合わせた曲作りでもしたらどうだろうか?

なんかこの漂流している、川に船頭のいない船を浮かべて漂ってる「浮舟」感がいまのスマイレージの雰囲気にあっていて、そこにアイドル性があると思う。(源氏物語の浮舟)。そもそもスマイレージに勝ち物語や根性這い上がり物語は全く向いていない。そういう性格のメンバーではない。アイドルだからって、そういうストーリーを強制して欲しくない。エリートが挫折して、そして漂い、儚く散っていくのだって立派なストーリーだ。

そこに焦点を当てると、AKBっぽくなるわけだけど。

 

というのは置いておいて、スマイレージの曲が良いと言われるが、それは「ライブ」の良さと相反するものではなかったろうか、という話題。

スマイレージのダンスは(あえて)小さくまとめる、そういうのでかわいらしさと完成度を作っていた。あのようなかわいらしい曲につけるフリとしては、極めてまっとうな判断であろう。スマイレージ2期のオーディション時の藤井さんにダンスの先生が話している件でも、それはわかる。

この「こじんまり感」は意外と難問だった気がする。℃-uteは2011年初頭には、スケール感の大きい歌とダンスで、アリーナクラスのパフォーマンスをホールで行っていたが、いつのまにか現実がパフォーマンスのスケール感に追いついてきた。スマイレージは2011年初頭こじんまりとしたスケールの小さい歌とダンスを行っていたが、いつのまにか、そういう身の丈に合わせたこじんまりとした箱でしかライブが行えなくなった。

 

スマイレージのかわいらしい曲は、全体的に「普通の感覚」で聞いたときに「上がる」曲ではない。℃-uteの強力なあげチューンのマイナーダンス歌謡や、その他のアイドルグループの電波ソング、EDM系ミュージック、のように音楽の力で(強引にでも)「上げる」と違い、スマのかわいい曲、あくまで「かわいらしいな」って感じるタイプの曲だ。

その「かわいらしい」曲を強引にコールで盛り上げていく。これがどうも、現場の閉鎖性を作る。℃-uteのように「上げ」チューンで、曲についていくカンジでコールも盛り上がるのなら普通の感覚でついていけるのだが、スマのように「かわいい」チューンをコールの方で盛り上がていくと閉鎖性がでやすく、荒れた現場になりやすい。

 

何度も引き合いに℃-uteを出すが、℃-uteは音楽が刺激の強い上げチューン、歌い方がパワーで押し出してくる系統、ダンスがエネルギー量と躍動感。℃-uteの方からものすごい熱量がやってきて、そこにコールが応答して、全体の刺激と熱さが高まるライブだ。

スマイレージは、歌い方もパワーないし、ダンスはこじんまり、曲はかわいいカンジ、それに対して客が熱狂的にコールして、という形態になっている。

 

さらにスマイレージ2期が入ってきて、いつのまにか、このスタンスも崩れ始めた。こじんまりダンスを強引に大きな動きで迫力をつけ、かわいらしいメロディの曲を強引に強い歌い方にしたり。このおかげで大変「雑」なパフォーマンスになり、もうなんでもいいから盛り上がれば良い、くらいのカンジになってきた。

こういうのは100人くらいの箱でライブを行うようなグループのタイプのパフォーマンスではなかろうか?

 

追記:

個人的には2期メンに似合うデジポップは自分の好みの音楽だ。1期メン系のチャラい系の曲は好きではない(特に歌詞が苦手。1期メンの雰囲気にこの歌詞が対応していた)。自分は、チャラアイドル路線の1期ではなくて、純アイドル路線の2期メン系ヲタである。常に2期メンのための曲を望んでいる。というわけで、旅立ちの、とか、ヤッタルチャンとか好きだ。しかしこのタイプの曲は、市場には支持されていないようだ。寒いね。も美メロで大好きだ。好き純も良い。ただチャライカンジの音作りが多く、これがスマイレージのグランドコンセプトに基づいていて、そのチャライ音作りが問題だと思うのだ。ただグランドコンセプトに抵触するから、あまり声を高くして主張していないが。

 

℃-uteで言えば、日曜日は大好きよは、とても好きだし、とにかくメロディが良い。アレンジに関しては言いたいことがあるのだが、それでも好きだ。