成長を捨てたアイドル「℃-ute」と「ももいろクローバーZ」
AKBとモーニング娘。と、おそらくほとんどのアイドルグループは成長過程を楽しむ要素があり、そこが魅力としてクローズアップされている
ただAKBは成長過程を見せてはいるが、本当は成長しなくても良い、システムだ
モラトリアムにおける青春群像
将来各分野のプロフェッショナル成功するためにAKBの中で色々学び
卒業して旅立っていく
というシステム
モーニング娘。に関して青春群像はない
大人の世界に生身で放り込まれ、プロフェッショナルとして芸を磨いてく
その中での成長だ
AKBの次世代アイドルとして売り出されたアイドルグループ「℃-ute」と「ももクロ」は本質的に成長しないアイドルだ
ももクロは、ユートピアやネバーランドとしての「永遠の幼児性」であり
℃-uteは、歌もダンスもグループとしての表現も完成された状態から「アイドル」としての売り出しが始まる
新世代の成長を捨てたアイドルが手にした武器は「闘争」や「戦い」だ
この二つのグループは本質的に「闘争指向」の強いアイドルグループであり、モノノフとTeam ℃-uteというヲタ達も強い闘争性も持つ
この二つの新世代アイドルグループによって、アイドルは「戦うヒロイン」となった
アイドルが「戦うヒロイン」となったのを第三世代グループアイドル呼ぼう
第一世代アイドルグループ、モーニング娘。にも各メンバー間の闘争があり、それは歌唱技術やダンス技術におけるセンター争いだった
第二世代アイドルグループAKBは総選挙という人気によって勝敗をつけるシステムを組み込んで、人気がハネた
旧世代のアイドル達はメンバー間の戦いであり、芸や人気といったアイドルとして必要なモノをどのように築き上げていくかである
AKBはモラトリアムという、プロフェッショナルからは守られた空間の中で、擬似的に芸や人気で競い、勝敗を決して行った
モラトリアム空間での競争は、高校生的な女子たちのキラキラした群像劇を見せてくれた
第三世代のアイドル「℃-ute」と「ももクロ」はどちらも見えない敵と戦う
各個人間に競争はなく、どちらも一人が欠けてもいけない「チーム」だ
この「チーム」は、社会や大人というシステム
「見えない敵」と戦っていく
そこに成長の要素はなく、あるのは勝利!もしくは負けない事
新生代のアイドルは旧世代のアイドルの魅力をいくつか受け継いでいる
「ももクロ」のネバーランドはモーニング娘。4期のあたりのダブルUによって作られた子供楽しい感とお祭り感を下地にしているのではなかろうか
「℃-ute」の5人の楽しさ(5人に拡大化された3バカ感)は、大人になりかけた少女のモラトリアムにおける青春群像を見せたAKBを下地にしているのではないか