でんぱ組inc.「でんでんぱっしょん」と℃-ute

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宅見将典アレンジャーは「誰にも言えない恋してるの」で速いテンポの乙女ロックを作った。そこそこ人気はあるが、大きく広がる人気曲でもないし、支持率も限定されているだろう。

で次に今回のアルバムで「私が本気を出す夜」という電波ソングだ。テンポが早かったり疾走感は似たようなタイプである。

疾走感のある乙女ロック→電波ソングへとジャンルを修正した、というのが今回のポ

イントだろう。

人気の面ではわからないが、℃-ute電波ソングは良い選択肢だと感じた。

ハロプロは中学女子のかわいさを出すメロディはあるのだが、20歳女性のかわいさを出すメロディがない。高校生くらいでは何とか中学生的かわいらしさを引き伸ばすが、20歳前半女性が中学かわいさの曲を歌うのは異様である。それでもハロメンはその歳でも無理して中学性かわいらしさに合わせようとする傾向があり、頭のおかしい幼稚さで、本来の年頃の女性の純粋なアイドル性を発揮できない傾向にあった。もしくは陰調で30歳近くの疲れたOLの歌謡になってしまうか。

結局、つんくちゃんがこの2種類のメロディしか作れない、という能力的な限界であったのではないだろうか?

陽調で20歳女子かわいいを表現できるメロディ、これがハロプロに必要なものであり、℃-uteに絶対に必要なものであった。

「Queen of J-POP」では、20歳女子かわいいで、ある程度の水準の曲を作れたと思う。しかし、もっと先へ進まなくてはいけない。

「誰恋」の歌詞は20歳あたりの女子によくありそうな、ろくでもない恋の物語。

軽めのロックサウンドで疾走感と早口言葉、セリフなのかラップなのか歌なのかわからない感じで詰め込むサビの最後とか、そういう特徴がある曲。

これはほとんど電波ソングの特徴であり、電波ソングの一歩手前の乙女ロック。

同じアレンジャーの「私が本気を出す夜」これは、℃-uteとお得意のシンセ音と、ロック系楽器の音で、なんだか自分にはよくわからないジャンルの音楽とバンジョーがコラボした曲で、電波ソング。疾走感があり、Bメロで早口言葉が入り、明らかに中毒性を持つ変な歌詞が多い。変なかけ声も入る。

この曲は完全に成立しており、℃-uteの楽しさやかわいらしさ、nksk感をよく醸してる。20歳の女の子のかわいさがよく出ている。℃-ute電波ソングをもっと追求できそうだ。

 

ロックサウンド、℃-ute的なシンセ音の組み合わせで、極めて決定的なアイドル電波ソングがある。

でんぱ組inc.「でんでんぱっしょん」


でんぱ組.inc「でんでんぱっしょん」MV【楽しいことがなきゃバカみたいじゃん!?】 - YouTube

作詞:畑亜貴による完璧な電波ソング。MVは20歳女子のかわいらしさをよく表現しており、女の子が好みそうな女の子のかわいさでもある。

イントロのフレージングがハロの半分の長さで繰り返され、疾走感を煽る。

ディストーションの聞いたギターのカッティングに℃-ute風のシンセがなっている、意外とシンプルなサウンドだ。

インスト的には電波ではなくて、ほぼ声と歌詞とかけ声で電波感を作ってる。そういうサウンドのうす味が、℃-uteに向いていると思うのだ。

Aメロはメロディのフレーズが短く、かぶせ気味と思うくらいにヲタ的かけ声をメンバーが入れる。Bメロもかぶり気味なくらい早めに入る。そして早口がところどころ入る

Bメロはメンバーのリレー歌唱が、ものすごいスピード感を作る。バトンを頻繁に渡すので、そこがスピード感を作るのだ。このリレー歌唱によるスピード感は℃-ute向きだと思う。最近は手癖なのか、℃-uteのリレー歌唱がバトンを渡すタイミングに意外性がない長さで、ゆっくりリレーされていく。このリレーのバトンが渡る速度を変更した方が良い。今はちょっとまったりしすぎてる。曲によって、もっとリレーのタイミングを変えたほうが良い。

サビは無難なメロにかぶせてヲタ芸コールやカウンターメロディが入る。バッグコーラスのあるグループのようだ。

ここらへんの技法は、℃-uteの曲を作る人達が身につけたい技法だろう。

リレー歌唱のバトンの受け渡しのテンポ感や、くい気味なコールフレーズ、イントロのフレーズのまとまりを従来の半分にして、疾走感を出す、など、電波ソングを作るための決定的な技法が並ぶ。

 

これらの技法を使って、宅見アレンジャーで曲を作れば、そうとうに℃-uteらしいかわいさ、日頃の℃-uteちゃんの早口会話、かぶせぎみのトーク、そういうにぎやかなきゅーとちゃんトークや妄想女子会トークの雰囲気、これが電波ソングで表現できると思うのだ。

是非、シングルA面で挑戦してみて欲しい。

 

ふりつけも℃-uteちゃんに似合うなと思うので、可能性を広げるだろう。少しゆるくてバカバカしいフリや、ちょくちょくフリーの動きを入れた方が、陽調の曲は良いだろう。℃-uteの技術を贅沢に使うのが良いと思う。