スマイレージ「良い奴」感想
ナイスガイやがな by 中西かななん
スマイレージ 『「良い奴」』(S/mileage[Nice Guy]) (MV) - YouTube
スマイレージは東京っ子で都会っ子というパプリックイメージ(1期のとき)を、修正していこうという、浪速推しを進めるスマイレージ。スマイレージの路線変更の人身御供に選ばれた中西かななん。
「良い奴」と漢字で書かれてるが、なんとなく「ええ奴」と読みたくなる雰囲気!
曲は大雑把にいうと℃-ute系だが、℃-uteみたいにリズムの輪郭が明確でバキバキしている、という事はない。
結局、℃-uteのマイナーダンス歌謡路線が、世界に通用するレベルであるのは、℃-uteの歌唱のリズムの作り方と、トラックのリズムの輪郭を異様に明晰にしたリズムバキバキさ、歌謡とダンストラックがリズムを軸に一体化したカッコ良さであり、とくに2013年クレ完以降、℃-uteのレベルにトラックが追いついた。
これをスマイレージでやるとどうなるか?という話だが、スマイレージの歌唱に合わせると、トラックのリズムを℃程明確にする事はできない。本人たちが、そんなに明確じゃないからだ。
これがベリーズ工房だと、基本スラーのかかったなだらかなガールズポップス歌唱なので、リズムトラックとの相性の悪さが深刻だ。
スマイレージとベリーズのマイナーリズム歌謡はどうしても、トラックと歌謡が分離するし、それを分離しにくくさせるために、トラックのリズムの明晰度を低下させるわけだが、そうすると、カッコよくない
J=Jの歌唱みたいに全くリズムが作れないと、ムード歌謡にリズムをつけたような曲になってしまう。
BPMは142。℃-uteと比べてると、相当早い。だがスマイレージはBPM150を超える曲が多かったので。決して早い方ではない。
しかし、新しい路線を考えたときに、いままで並みのBPMが正しいのか、と言われると、どうなのかな、と思う。
まろは、抑揚系の歌唱できるから、このタイプの曲は得意だ。もんだいは和田ちゃんで、彼女はぼそぼそ歌うから、あまり抑揚系の曲に似合ってないようだ。
個人的には、下心を持ってるおじさんから、めちゃくちゃちやほやされそうな、一般人の女子大生、みたいな雰囲気の和田ちゃんが、苦手というか、(見た目)このタイプの女性は大嫌いなので、こういう曲をやらせると、ほんとに受け付けない。
アイドルはアイドルらしく(外見)をして、ある程度、アイドルらしい事をしてもらいたいものだ。一般人のおじさんもてみたいな雰囲気は気色悪い。
という事で、髪型や衣装などでも、もうちょっと一般人と隔絶したルックスをプロデュースして欲しいと思った。
(アイドルはアイドルらしくして隔絶しているから、おじさんもてみたいなカンジで嫌な感じはあまりしないのだが、そのわかりやすい記号化がなくなり、一般人に近いと、いっきに気色悪い。)
スマイレージの場合、各人それぞれが全く違う方向へ、そしてそこには客がいないよっていうマイナーな方向へ突っ走るので、キャラや個性が強すぎて、また6人の個性が交わるところにほとんど客がいない、という事になっている。おかげで、ある女の子が好きでも、他の何人かが、非常に嫌いというか、非常に受け入れにくい(マイナー方向でのキャラきつすぎて)。おかげでまとまってスマイレージ自体を応援しにくい。
どうせ言っても聞かないのだろうから、そんなスマイレージを、どのようにパッケージングして、プロデュースするか、がアップフロントの苦労だろう。
(個性がきつくてもメジャーな方向に走っていれば問題ない。スマイレージは客がいなさそうな方向へ走るから。キャラが受け入れにくいきつさだと言っている)
たぶん、このような、アイドル個人個人が生で露出するような、この手の曲は、上記の理由から、スマイレージにはマイナスになると思う。
パッケージも味付けを強烈に、刺激をどぎつくして、個人個人の個性やキャラを打ち消してしまえば良い。というわけだ。
個性を削るのではなくて、パッケージをどぎつくして、個性を目立たなくするという考え方。
(℃-uteと反対のことをするのだ。℃-uteは曲の癖をなくして、さらにMVで個々をそれぞれ違う風に演出して、それでようやくほどよい個性になる)
サビは、早口フレーズだ。しかし早口しているから盛り上がってる、という事もなく、たんある早口になっているのであまり早口している意味がない。
アイドルが早口をするのは、若さのエネルギーを大量に注ぎ込むということで、コードやテンション、構成がうまく作られて、初めて効果がある。
構成がなだらかすぎで、早口にしている意味がない。
もうちょっとちゃんと、コードとテンションを使って欲しい。いい加減ドミナントで(-5)系ばっか使うのやめよう。あとドミナントコードにテンションを使って、盛り上げよう。サビが平坦にすぎる。