Berryz工房『大人なのよ』感想 その2

大人なのよの曲の分析


Berryz工房『大人なのよ!』Berryz Kobo[I'm an adult!]) (MV ...

ジャンルはJazz もしくはクラブジャズ、といった所だ。この手の音楽に必要なのは『推進力』なのだけれど「大人なのよ」は推進力がなく停滞した音楽になっている。

音楽的には失敗作だと思う。

夢の中で、体が重くてなかなか前に進めないのに、頑張って歩いている、かのごとく、音楽が前へ進もうとするのを、重しをつけて、進ませないようにしている、そういった聞くのが辛い、拷問のような音楽だ。

そうなった一番の原因は、打ち込み音楽だからだ。このアレンジなら、スラップの入った生演奏のベースと、生演奏のドラム、生演奏のピアノが必要だ。

根本的な問題すぎる。この形態の音楽を打ち込みでやるべきではない。

どうしても打ち込み音楽を作りたいなら、ハロプロにありがりなダンス音楽にすれば良い。打ち込みで、音数(楽器)の少ないシンプルなジャズをやるなら、生演奏にしないと、音楽に推進力がなくなる。

ジャズという音楽分野にとって最も大切な事は、音楽の推進力であり、これはたいていドラムの熱量で供給される。そしてベースのリズム感だ。このリズムセクションのシンプルな、微妙なタイミングが、強い推進力を作り、音楽が進む。

 

歌と歌の間、ベースとドラムで間合いを埋めるべきところを、上モノのフレーズで埋めていくから、これがまた音楽の推進力におもしをしてしまう。演歌じゃないから、いちいちオブリガードで隙間を埋めなくていい。

 

キメも進行させるキメじゃなくて、進行をとめてしまうキメになっている。ジャズに必要な考え方と、すべて反対の歌謡曲みたいな考え方で曲の構造を作っているのだ。もっとジャズをきちっと勉強しないとダメだ

 

ジャズで最も大切なのは曲の推進力だろう。もちろんそうじゃない表現方法のあるけれど、この曲はそういう特殊なタイプのジャズではないから、推進力を最も大切にするべきだ。

 

そして推進力がない第一原因が、レコーディングに楽器を使わないで、打ち込みをするからだ。

きちっとお金と手間かければ、こういうタイプの曲を作るなら、ちゃんとバンド呼んで録音させるって、レコード会社ならできるでしょう??

こういうところを、本当に真面目にきっちりやって欲しい。

 

打ち込み音楽でも、「愛ってもっと斬新」のようなプログレ形態で効果音を多く使った曲なら、問題なく推進力が出ている。

悲しき雨降りは、あれは推進力はあるが、生バンドでやらないといけない。打ち込みはダメだ。いちおうビッグバンド風のジャズ曲だから、ぎりぎり打ち込みでもというところはあるが、個人的にはぎりぎりアウトだ。

大人なのよは、上記の℃-ute曲より、サウンド的にシンプルに作られているから、これで打ち込みだと辛い。つまり本格的にジャズコンボっぽい音楽の作りになっているので、これで打ち込みは酷い。完全に暴投コースだ。

 

歌詞が「タイミングゥ」とか変で、自分にとってはすべてがぶち壊しだけれど、ベリーズ工房を好きな人は、きっと、こういうのが好きなのでしょう。アイノォーーみたいに伸ばしてるところとか、も、めちゃくちゃだなぁと感じるけれど、こういうのがひっかかりなのでしょう。

ベリーズはおかしなひっかかりが多すぎて、自分にはちょっと無理。

J=Jの(ロマンスの途中っていう雰囲気の曲でいきなり)ドラゴンボールもひどかったし。J=Jは次のシングルから、そういう変な歌詞がなくなったから期待してます。

スマイレージは、もともとそんな変な歌詞はないし。曲と歌詞が合ってることが多いと思う。

ベリーズは、こういう大人なのよっていう曲と、ファッション風のMVの中で、いきなり、「タイミングゥー」とかやりだしたら、そりゃあ、聞く気なくす。